高齢者向けに実施している帯状疱疹ワクチンに関する話題(Nature. 2025 Apr 02; doi: 10.1038/s41586-025-08800-x.)です。
ちなみに、当院でも高齢者向けに帯状疱疹ワクチンを実施していますので、接種を希望される方は御連絡ください。
A natural experiment on the effect of herpes zoster vaccination on dementia | Nature
特定のウイルス感染が認知症リスクを高める可能性が示唆されていることから、今回、帯状疱疹ワクチンにも脳を保護する効果があるかどうか検討しました。
2013年9月1日に高齢者に対する帯状疱疹ワクチンの接種が開始されたウェールズに着目し、当時の接種対象者は1933年9月2日以降に生まれた79歳の人で、接種可能期間は1年間に限定されていました(接種開始時点で80歳以上の人は接種対象外)。そこで、帯状疱疹ワクチン(Zostavax)接種開始の直後に80歳に達した接種対象者(接種群)とワクチン接種直前に80歳に達した接種対象外の高齢者(1933年9月2日より前に生まれた人、対照群)を7年間追跡し、認知症の発症について比較しました。
その結果、接種群では対照群に比べて、追跡期間中に新たに認知症の診断を受けた確率が3.5パーセントポイント低いことが示されました(接種群では対照群と比較して、認知症の相対的なリスクが20%低下したことに相当)。この効果は、教育レベルや糖尿病、心臓病、がんなどの慢性疾患など、認知症リスクに影響を与え得る因子を考慮した解析でも変わらず認められ、この保護効果は、男性よりも女性で顕著でした。また、イングランドとウェールズの合算人口を対象にした別のデータを使った検討でも同様の結果が確認されました。
Shingrixにも同様の効果があるかはまだ不明。今後の研究結果が待たれます。
それにしても、今ある医療資源を使った認知症の発症予防に関連した研究・・・素晴らしいですねw (小児科 土谷)


