外来で、前日夜に熱性けいれんを起こしたお子さんが来院されたので、説明しながら思った疑問を調べてみました。熱性けいれんは、そもそも何時頃に多いのでしょうか(Epilepsia. 2023 Jul;64(7):1739-1749. doi: 10.1111/epi.17639. Epub 2023 May 15.)。

この研究の主な目的は、(1) 過去に報告された発症時刻データを用いた新しい時系列メタアナリシスによって小児熱性けいれん(CFS)発生に関する24時間パターンを実証すること、(2) そのサーカディアンリズム依存性について議論することです。
文献の包括的な検索を行い、選定基準を満たす8つの論文を抽出しました。
イランで3件、日本で2件、フィンランド、イタリア、韓国でそれぞれ1件の調査が行われ、平均約2歳の小児熱性けいれん2461人が対象となりました。
集団平均コサイナー解析により、CFSの発症には24時間リズムが存在することが検証されました(p < .001)。これは、平均体温に有意な日内変動がなかったにもかかわらず、発作のピークである18:04(95%信頼区間:16:40-19:07時)と谷である06:00の間で、発作を起こす頻度に約4倍の差が生じたことによるものでした。
熱性けいれんを起こす時間帯パターンは、特に発熱性炎症経路を構成するサイトカインや、中枢神経の興奮レベルに影響を与え、体温調節を助けるメラトニンといった、複数のサーカディアンリズムの作用による可能性が高いことが考えられました。
過去の実験動物や患者を対象とした調査では、同程度のトリガーによって誘発されるけいれんの脆弱性は、24時間の中で一定のリズムで変動、すなわち概日的な感受性・抵抗性のリズムとして、時間的に予測可能な形で異なることが示唆されました。
以上から、熱性けいれんを起こす時間帯に著しい差があることを分かることで、
このCFSの時間帯によるリスクの大きな差異を理解することで(特に午後遅くから夕方にかけてが発症リスクが最も高くなる時間帯)、適切なタイミングで予防的介入を行い、けいれん発作をより効果的に防止できる可能性があることが分かりました。
これまで何となく、夕~夜になると熱性けいれんの患者さんが搬送されてくるな~と思っていましたが、自分の実体験もあながち間違ってはいなかった模様です。効果的にけいれんを予防するために、知っておいて損はない小ネタでした。 (小児科 土谷)

