素朴な疑問「外遊びやスポーツは子どもの運動能力を向上させるのか?」について調べた研究(Journal of sports sciences. 2025 Mar;43(5);431-439.)を紹介します。

Full article: Children’s outdoor time and multisport participation predict motor competence three years later

 

2015~2016年に、フィンランド国内の人口の分布を考慮し特定した24地域から募集された、3~8歳の子ども627人(平均年齢5.5±1.1歳、女児51.0%)を3年間追跡しました。子どもたちが6~11歳になった時点で運動能力を評価し、ベースライン時における「屋外で過ごす時間」および「組織化されたスポーツへの参加の有無」との関連性を検討しました。なお、組織化されたスポーツへの参加の有無は、スポーツ関連団体やクラブ活動に参加しているか否かで判断しました。

 

解析の結果、複数の組織化されたスポーツに参加している子どもは、3年後の運動能力が有意に高いことが明らかになりました。性別に見ると、女児では、横跳び、移動スキル、ボール等のコントロールスキル(object control skills;OCS)、基本的動作スキルという、評価した4項目全てと有意な関連があり、男児はOCSを除く3項目で有意な関連が認められました。単一の組織化されたスポーツに参加していることも、女児の横跳びとOCSという2項目と有意な関連が認められました(男児では非有意)。

 

また、屋外で過ごす時間の長さは、女児の横跳び、OCS、基本的動作スキルの高さと有意に関連(例えば、平日の屋外で過ごす時間が30~60分であっても、30分未満の子どもとの間に、3年後のスキルの有意差が観察された)していましたが、男児ではこのような関連は認められませんでした(女児でのみ有意である理由は、男児が総じて屋外で過ごす時間が長いのに対して、女児は屋外で過ごす子どもとそうでない子どもの差が大きいためと考察されています)。

 

以上から、屋外で遊んで時間を過ごしたり、さまざまなスポーツ活動に参加したりしている子どもは運動能力が高く、特に複数のスポーツを行っている場合にその関連が顕著であることが分かりました。

 

これまでにも、屋外で過ごす時間と多様な身体活動が、子どもたちの運動能力の発達に良い影響を与える可能性があることが報告されていましたが、今回の報告もそれらを支持するものでした。

 

普段、診察室のイスに座っている自分としても、これからは、子どもたちに負けないよう、天気の良い休日は外に出て体を動かそうと思いますw (小児科 土谷)