犬を飼っている家庭の乳児は、幼少期にアトピー性皮膚炎(AD)を発症するリスクが高いのでしょうか?
外来でよく相談される内容を読んでみました( Allergy. 2025 Jun 04; doi: 10.1111/all.16605.)。
ヨーロッパで実施された16件の研究データを分析し、ADに関連する既知の24種類の遺伝的バリアントと、母親の妊娠中および児の生後1年間における18種類の環境要因の相互作用を調べました。
その結果、犬の飼育を含む7つの環境要因と少なくとも1つのAD関連遺伝的バリアントとの間に14の相互関係が示唆されました。また、25万4,532人を対象とした追加解析から、犬への曝露と第5染色体に位置する遺伝的バリアント「rs10214237」との間に統計学的に有意な相互作用が認められました(相互作用のオッズ比0.91、95%信頼区間0.83〜0.99、P=0.025)。
実験室でのテストにより、rs10214237と犬アレルゲン曝露との相互作用がADの発症リスクにどのように影響するのかを検討しました。その結果、犬への曝露はこの遺伝的バリアントの影響を変化させて皮膚の炎症を抑え、AD発症リスクを抑制している可能性が示唆されました。
以上から、犬を飼っている家庭の乳児は、幼少期にアトピー性皮膚炎(AD)を発症するリスクが、犬を飼っていない家庭の児よりも低い傾向があることがわかりました。どうやら乳児期に犬に曝露することで、ADの発症に関与する遺伝子の影響が軽減される可能性があるようです。
今回はペット飼育とアトピー性皮膚炎の関連、よく外来で相談される内容でした。
遺伝子と環境要因がどのように相互作用してADリスクを増大させたり低下させたりしているのか、興味が尽きないところです。
これからの研究に期待ですw (小児科 土谷)

