2011年から11年間の日本国内の小児救急外来におけるクルミによるアナフィラキシーの発生率の変化を評価した論文( Pediatric allergy and immunology : official publication of the European Society of Pediatric Allergy and Immunology. 2025 Nov;36(11);e70243. doi: 10.1111/pai.70243.)を紹介します。

Eleven‐year trends in walnut‐induced anaphylaxis in children in Japan: A multicenter retrospective study – Iwashita – 2025 – Pediatric Allergy and Immunology – Wiley Online Library

 

後ろ向き研究で、2011~21年に日本国内の3施設の小児救急外来を受診した食物によるアナフィラキシー患者を対象としました。

11年間における各原因食物の割合の変化は、コクラン・アーミテージ傾向検定を用いて評価しました。患者背景および詳細な症状については、クルミによるアナフィラキシー患者(クルミ群)とその他の食物によるアナフィラキシー患者(他の食物群)で比較を行いました。

 

その結果、食物によるアナフィラキシーで救急外来を受診した患者は計904例でした。

原因食物の内訳では、クルミによるアナフィラキシーの割合が2011年の3.2%から2021年の26.1%へと増加していました(p<0.0001)。その他の食物では有意な変化は認められなかった。


クルミ群80例と他の食物群824例を比較すると、年齢の中央値は両群とも3.9歳でした(p=0.42)。
原因食物に対するアレルギーの既往診断を受けていた患者の割合は、クルミ群では28.8%と、他の食物群の47.4%よりも低かった(p=0.006)ことが分かりました。

消化器症状は、他の食物群(55.9%)と比較してクルミ群(72.5%)でより多く認められていた(p=0.004)ことが分かりました。

 

世界的にクルミアレルギーの有病率が増加しているので、日本におけるクルミによるアナフィラキシーの発生動向や臨床的特徴について知ることが出来るのは有難いです。貴重な報告をありがとうございます。 (小児科 土谷)