腹部肥満は将来のフレイルと関係するかもしれません( Geriatrics (Basel, Switzerland). 2025 Nov 08;10(6); pii: 147.)。
Impact of Abdominal Obesity on Frailty Development: A Web-Based Survey Using a Smartphone Health App
後ろ向きコホート研究として、大阪府在住の30~79歳の成人2,962人を対象に、腹部肥満が1年間のフレイル進行を予測するかどうかを検討しました。
2023~24年にわたりスマホの健康アプリを通じ年次調査を行い、ウエスト周囲径データが利用可能な2,962人(平均年齢62.7±8.8歳)からデータを収集しました。フレイルは基本チェックリストを用いて評価しました。フレイル進行の予測因子を特定するためロジスティック回帰分析を実施しました。
その結果、ベースライン時(2023年)において、参加者の23%が腹部肥満を有し、18%がフレイルと分類されました。
ベースライン時に非フレイルだった2,431人において、1年後のフレイル発生率は、腹部肥満群で非肥満群より有意に高かった(10.5%vs.7.2%、p=0.011)ことが分かりました。多変量ロジスティック回帰分析では、フレイルの自覚(「よく知っている」対「知らない」、調整オッズ比[aOR]=0.341、95%信頼区間[CI]:0.212~0.548)、定期的な運動習慣(aOR=0.596、95%CI:0.382~0.930)、および前フレイル状態(aOR=1.767、95%CI:1.602~1.950)がフレイル発症の有意な予測因子でした。腹部肥満は調整後、フレイル進行と独立した関連性を示しませんでした。
以上から、腹部肥満は将来のフレイルに関係する可能性があることが示唆されました。そして、フレイルへの認識向上と定期的な運動はフレイル発症リスクを低減させる可能性があることが分かりました。
フレイルリスクの高い人に適切な介入を実施することは、健康寿命を延ばす上で極めて重要です。
自分も常日頃から運動するタイプではないのですが、これからは持病の腰痛に気を付けつつ、少しずつ運動してみようかと思います。 (小児科 土谷)


