常在細菌叢、常在ウイルス叢の両方を併せてマイクロバイオームと呼びます。

これまでは母親由来のマイクロバイオームが子どものマイクロバイオームに大きく影響すると言われてきましたが、子どものマイクロバイオームは保育園に行き始めた途端に大きく変化し、急激に多様になるとのことです。

Baby-to-baby strain transmission shapes the developing gut microbiome | Nature

 

乳児43名と保育園の保育士10名、子どもと同居する人々(母親39名、父親30名、兄弟姉妹7名、犬3匹、猫2匹)の糞便サンプルを比較検討しています。

 

その結果、赤ちゃんのマイクロバイオームは、保育園に通い始め1か月で他児から受け継がれ、4か月後には細菌叢全体の15~20%がお互いに共通のものとなっていました(この変化は主に保育園の食事によるものと推察)。

乳児に兄弟姉妹がいる場合には、両親よりも兄弟姉妹からより多くの微生物を受け継いでおり、その場合、マイクロバイオームの多様性が他の人たちに比べて高い傾向があったことが分かりました。


また、乳児のマイクロバイオームは保育園に入るとともに多様化しますが、生後1年以内に抗生物質投与を受けると、腸内における細菌叢の多様性が大きく減り、一方、抗生物質をやめると多様性が急速に回復したことが分かりました(抗生物質の安易な使用は児のマイクロバイオームに悪影響を及ぼす可能性がある)。
更に、母親は自分の子どもを介して、保育園に来ている他の家族から細菌を貰っているケースが散見されたと報告されており、保育園内での乳児間の細菌の受け渡しが母親にまで影響を及ぼしたと指摘されています。


以上から、乳児が保育園に登園しだすとそのマイクロバイオームが大きく変化することが分かりました。

 

乳幼児のマイクロバイオームの変化が将来の健康やアレルギー発症にどのような影響を及ぼすか、興味あるところ。

そして、保育園で得られたマイクロバイオームの変化はどれぐらい長く続くのでしょうか? 今後の研究結果が待たれます。 (小児科 土谷)