ソーシャルネットワークサービス(SNS)デトックスが、若者のメンタルヘルスに与える影響を調べた論文を紹介します。

Social Media Detox and Youth Mental Health | Media and Youth | JAMA Network Open | JAMA Network

 

米国で2024年3月から2025年3月に、スマートフォンを保有している18~24歳の若者を、調査完了まで協力した人には150ドルを払うとして、オンラインで募集しました。ベースラインで同意が得られた参加者に質問票調査に回答してもらい、SNS(Facebook、Instagram、Snapchat、TikTok、X)の使用状況を調べました。その後、任意で1週間、それらSNSの利用を減らすデトックス介入を受け、この間もセンサーによる受動的なEMA(ecological momentary assessment:デジタル機器から得られる行動ログや自覚症状などに関するリアルタイム情報の評価)データを収集しました。

主要評価項目は、SNSデトックスが、Patient Health Questionnaire-9(PHQ-9)に基づく抑うつ症状と、Generalized Anxiety Disorder-7(GAD-7)に基づく不安の重症度、および、Insomnia Severity Index(ISI)を用いた不眠症の重症度、University of California, Los Angeles Loneliness Scale(UCLA-LS)を用いた孤独感の程度に及ぼす影響と、個々の参加者の行動に及ぼす影響としました。

 

応募した417人のうち、米国外の居住者や途中の離脱者を除く373人が調査に協力しました。平均年齢は21.0歳(標準偏差1.9)、女性が74.3%、76.9%が学部生で、14.5%が大学院生でした。350人(93.8%)が、5種類のSNSプラットフォームのうち少なくとも1つを利用しており、利用していないと回答したのは23人(6.2%)でした。1日当たりのSNS利用時間の平均値は1.9時間(1.4)で、2週間の1人当たりの累積利用時間の平均は26.5時間(20.7)でした。

 

295人(79.1%)がデトックス介入に参加し、78人(20.9%)は不参でした。デトックス介入中に、89.8%の参加者はベースラインに比べ、SNS利用時間が減少しており、全体でも1日当たりの平均は0.5時間(0.8)で、差は有意でした。デトックス期間中も継続利用していた参加者の割合が高かったのはInstagramとSnapchatで、逆にXとFacebookは多くの参加者が使用を減らしていました。

 

介入後には不安症状が16.1%(スコアは平均値で1.9低下、Cohen dは-0.44:95%信頼区間[CI]-0.56から-0.32)、抑うつ症状が24.8%(2.1低下、-0.44:-0.56から-0.32)、不眠症状が14.5%(2.0低下、-0.37:-0.49から-0.25)軽減されていました。孤独感に有意な変化は見られませんでした(-0.05:-0.17から0.06)。ベースラインの重症度で層別化すると、うつ症状がより重症だった参加者ほど、デトックスの効果が大きかったことが分かりました。

 

以上から、SNSの使用を1週間減らすことが若年成人の抑うつ、不安、不眠症の軽減につながったことが分かりました。

 

一気にSNSの使用頻度・時間を減らすことは難しいと思いますが、意識して、毎日少しずつSNS使用を減らしてみると心の健康に良いかもしれません。 (小児科 土谷)