妊娠中の父親の胎児への愛着は、出生後の子どもへの愛着に影響を及ぼします。そこで、今回は妊娠期間中における父親の胎児への愛着の発達を縦断的に検討した研究を紹介します(BMC Pregnancy Childbirth. 2025 Nov 27;26(1):17. doi: 10.1186/s12884-025-08359-5.)。

The father’s attachment to the fetus and related factors in late pregnancy: a longitudinal study using a path analysis model – PMC

 

2023年1月~24年3月に日本の都市部にある地域周産期母子医療センターを受診し、妊娠初期(妊娠16週未満)と後期(28週以上)に質問票への有効回答が得られたカップル195組を対象に縦断研究を実施しました。

父親用質問紙には、基本属性、胎児への愛着、家族機能、養育体験に関する項目を含、母親用質問紙には、基本属性および家族機能に関する項目を含めました。解析には記述統計、対応のあるt検定、およびパス解析を用いました(有意水準 p < .05)。

 

その結果、妊娠後期における父親の胎児への愛着を高める因子として直接関連していたのは、妊娠初期における胎児への愛着が高いこと、妊娠後期における父親の家族機能が高いこと、父親の年齢が高いこと、ならびに初産であることでした。一方、妊娠初期および後期における母親の家族機能に対する認識、父親自身が両親から受けた養育体験、父親および母親の経済状況は、妊娠後期における父親の胎児への愛着に間接的な影響を及ぼしていました。最終的に修正されたパスモデルは、妊娠後期における父親の胎児への愛着に対して良好な適合度を示しました。

 

以上から、妊娠後期における父親の胎児への愛着を高めるためには、妊娠初期から父親の胎児への愛着および家族機能を高める支援を行うことが必要であることが示唆されました。

 

生まれてくる子どもへの愛着形成を高めるためには、お母さんだけでなく、お父さんに対するケアも重要です。

是非、覚えておきましょう! (小児科 土谷)