ビタミンDは心血管代謝リスク因子を改善するための補助療法として提案されてきたものの、その有効性に関するエビデンスは依然として一貫していません。そこで今回は肥満または過体重の小児および青年におけるビタミンD補充が心血管代謝リスク因子に及ぼす影響について評価した論文(BMC Pediatr. 2025 Nov 25;25(1):952. doi: 10.1186/s12887-025-05795-2.)を紹介します。
2025年4月までのPubMed、Embase、Scopus、Web of Science、Cochrane Library、およびGoogle Scholarを用いて系統的レビューを行いました。身体計測指標、血糖状態および脂質プロファイルを含む心血管代謝因子に対するビタミンD補充の効果について評価しました。データはランダム効果モデルを用いて統合し、加重平均差(WMD)および95%信頼区間(95%CI)を算出しました。
その結果、9件の研究(計440例)が解析対象となりました。メタアナリシスの結果、ビタミンD補充はBMI、BMI-Zスコア、空腹時血糖(FBS)、インスリン、HOMA-IR、QUICKI、中性脂肪(TG)、総コレステロール(TC)、LDLコレステロール(LDL-C)を有意に改善しませんでした。一方、HDLコレステロール(HDL-C)値のみ有意な低下が認められました。サブグループ解析では、ビタミンD3と比較してビタミンD2の方がHOMA-IRの低下が大きく、その効果は統計学的に有意でした(WMD = −0.51、95%CI:−1.00~−0.03、p = 0.038)。
以上から、ビタミンD補充は心血管代謝リスク因子に対して有益な効果を示さないことが明らかになりました。
より信頼性の高いエビデンスを得るためには、大規模な臨床試験が必要だと思いますが、頭の片隅に覚えておきましょうw (小児科 土谷)

