院長先生のブログ
既にCOVID-19に罹患したのですが、ワクチン接種した方が良いですか?
外来診療の中で、よくある質問の1つです。
現時点では、過去に感染の既往があってもワクチン接種をした方が感染リスクを低下させるとする報告が多いです。オミクロン株に代表される変異株への置き換わりが進んで以降、ワクチン接種をしたからと言って、完璧に感染しなくなる訳ではありませんが、感染リスクを低下させることが出来る、重症化を防ぐことが出来るといったメリットが大きいことを考えると、接種可能な状況にある人は接種しておいた方が良いでしょう。
ちなみに、若者が感染しない確率は(Lancet Infect Dis. 2022 Nov 24;S1473-3099(22)00729-0.)?
○ワクチンなし(%は感染防御率)
初期型に感染:33%
アルファ株(B.1.1.7)に感染:37%
デルタ株に感染:52%
ミクロンに感染:59%
○自然感染なし
ワクチン2回接種後:64.5%
ワクチン3回接種後:62.9%
○感染歴+ワクチン接種
概ね80~90%
現在流行の中心であるオミクロン株感染に対する最も高い防御率は、ワクチン接種とオミクロン感染歴のある青年で、ワクチン2回投与後15-24週で96.4%
となっており、一次感染のSARS-CoV-2株の種類にかかわらず、過去の感染とワクチン接種によるハイブリッド免疫を持つ青年が最も感染に対して高い防御力を示すことが分かっています。 (小児科 土谷)