昨日が環境と運動に関する話題だったので、今日は運動に関連した話題にしたいと思います。

運動はどの程度免疫機能に影響を与えうるのでしょうか?(Nature Communications volume 17, Article number: 130 (2026) )

Acute exercise rewires the proteomic landscape of human immune cells | Nature Communications

 

健康人23名(男11名、女12名;年齢30±4歳)に対して約1時間の高強度のインターバル練習あるいは約1時間の中強度の持続的運動をしてもらい、1時間後に末梢血を採取し、末梢血白血球のフローサイトメトリー解析と血漿のプロテオーム解析(LC-MS/MSを用いた解析;1検体あたり約6千種類の蛋白質について解析)を行いました。


その結果の概要は以下の通り。
・約1時間の強度の高いインターバル運動は、すぐにからだの免疫応答能力を高めていた。
・1時間の運動により、細胞傷害、白血球の活性化、防御能促進に関わるタンパク質が増加した。
・運動強度の高いインターバル運動のほうが中強度の持続的運動よりも効率的に免疫応答能力を高めていた。
・この免疫応答能力の亢進の程度は、運動者の心肺フィットネスの程度とほぼ比例していた。


強度の高い運動は、約1時間程度のものでも、からだの免疫応答能力に関わる種々のタンパク質の産生を高めており、この効果は(若い健康人で見る限り)運動強度の高いインターバル運動のほうが中強度の持続的運動よりも強かったということが分かりました。

 

心肺能力の高い人でこのような効果が見られやすい傾向があったことから、普段から運動で心肺の予備力を鍛えておくほうが運動の効果が得られやすいようです。

 

今回の研究は若い健康人だけが対象となっているため、高齢者にそのままあてはまる訳ではありません。今後、同様の研究が高齢者対象に行われると思うので、結果を待ちたいと思います。 (小児科 土谷)