院長先生のブログ
long COVIDの病態 -その他⑤-
ワクチン接種を行っている集団におけるlong COVIDの特徴を明らかにした論文(medRxiv. August 09, 2023.(doi.org/10.1101/2023.08.06.23293706))を紹介します。
2022年7月~8月にオーストラリアで実施されたオミクロン株感染者1万1697人(94.0%が3回以上ワクチン接種)について、90日後の追跡調査を行いました。Long COVIDの基準を満たしたのは18.2%で、中央値で6つの症状を報告し、疲労(70.6%)、ブレインフォグ(59.6%)、記憶障害・混乱(32.5%)が多く認められ、17.9%が就労/就学困難な状況でした。
Long COVIDの予測因子は、女性、50~69歳、既往症の存在、ワクチン接種回数が少ないことでした。
オミクロン株によるlong COVIDの罹患率はワクチンの接種回数が少ないと上昇することが分かりました。ワクチンは一部の人に対して、重篤な副反応を起こすこともありますが、(集団で見れば)このようなメリットもあります。正しい情報を理解して、ワクチンを接種するかどうかを判断する必要がありますね。 (小児科 土谷)