先日、蕁麻疹について触れましたが、それに関連した「では、慢性蕁麻疹はいつ治るのか？」についてです。

ある報告（J Am Acad Dermatol. 2014 Oct;71(4):663-8. doi: 10.1016/j.jaad.2014.05.069.）では、慢性蕁麻疹のある4～15歳児の92人について、寛解までの期間を検討しています。その報告によると、慢性蕁麻疹の発症1年後に18.5％、3年後に54％、5年後に67.7％が寛解したとされています。

The natural history of chronic urticaria in childhood: A prospective study – Journal of the American Academy of Dermatology (jaad.org)

→ 「1年後2割、3年後5割、5年後7割程度改善する」

別の報告（JAMA Dermatol. 2017 Dec 1;153(12):1236-1242. doi: 10.1001/jamadermatol.2017.3182.）では、年間10.3％が寛解したと報告しています。

Evaluating Comorbidities, Natural History, and Predictors of Early Resolution in a Cohort of Children With Chronic Urticaria | Pediatrics | JAMA Dermatology | JAMA Network

以上を考えると、子どもの慢性蕁麻疹は予想以上に長く続くことが分かります。

生活の質を落とさないように治療を行いつつ、焦らずにいきましょう。（小児科　土谷）