春先、梅雨時期、秋などの季節の変わり目の時期は、どうしても喘息発作を起こして来院されるお子さんが多くなります。見るからに辛そうな発作を起こしている場合もあるので、発症を予防（一次予防）できるなら予防して欲しいものだと思っています。

残念ながら、現状では一次予防を検討したエビデンスレベルの高いランダム化比較試験が、十分揃っているとはいえません。少し古めの論文（Lancet. 2015 Sep 12;386(9998):1075-85. doi: 10.1016/S0140-6736(15)00156-7.）ですが、著者らは以下のような一次予防を勧めています。

Risk factors for asthma: is prevention possible? – The Lancet

〔喘息の一次予防に勧められること〕

• 喫煙と環境中のたばこへの曝露を減らす
• 屋内外の大気汚染と職業上の曝露を減らす
• 小児肥満を減らし、野菜や果物を含む食事を推奨する
• 胎児の健康を改善する
• 母乳育児を推奨する
• 小児期予防接種の推進
• 社会的不平等を減らす

小児科としては、家庭でのたばこへの曝露を減らす、小児肥満の改善、母乳栄養の推奨、予防接種の推進といった点で貢献できそうです。一人でも、喘息発作で苦しむお子さんが減ることを願っています。。自分も喘息もちなので、発作の苦しみは身に染みてわかっていますｗ　（小児科　土谷）