院長先生のブログ
子どもの熱中症⑥
昨日がイベントにおける熱中症対策だったので、今回は子どもがスポーツなどの活動をする際の熱中症対策について考えてみましょう。
子どもにおける熱中症のリスク
健康な小児であっても熱中症になる可能性はありますが、特に低学年の子ども、体力不足、肥満があると熱中症のリスクが高まることが知られています。
アメリカ小児科学会(AAP)による「子どもにおける熱中症のリスク」を示します。原文は下記HPを参照願います。
Heat-related illness in young athletes (aboutkidshealth.ca)
- 高温多湿の気候
- 暑熱環境下での運動に対する順応不足
- 活動の強度や時間
- 衣類や保護具の不備
- 水分不足
- 不十分な睡眠や休息
- 不十分な回復時間
- 肥満があること
- 水分補給や体温調節に影響を与えるような基礎疾患や内服薬
暑熱環境下ではこれらの要因が熱中症のリスクを高めるということを、子ども自身や指導者・保護者が知っておく必要があります。
スポーツ中の熱中症対策
スポーツ活動中の熱中症を予防するための対策として、暑熱順化、水分補給、早期認識・冷却が重要とされています。
実際の注意点としては・・
1)知識の確認:指導者が暑熱環境下で運動する際の注意点を認識し、熱中症関連疾患が発生した場合の正しい対処法や計画を立てておく
2)運動強度:高温多湿下では運動強度を下げる
3)休憩:暑いときは頻繁に休憩を取る
4)衣服:運動時は軽く、明るい色のゆったりした衣服を着用する
5)水分補給:運動開始前に、十分水分補給をしていることを確認する
6)喉が渇いて無くても、運動中は15~20分おきに水分を摂取する。『ごっ9(く)ん』ルールを活用する
運動時の熱中症対策、水は1回にゴクゴク…と「9口」がコツ (2ページ目):トピックス:日経Gooday(グッデイ) (nikkei.co.jp)
7)高温多湿の場合(熱中症アラート発令時など)は、運動を中止するか、冷房設備のある場所に移動する
といったところでしょうか。
お役立ちグッズ・サイト
「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」の作成について:文部科学省 (mext.go.jp)
熱中症 自分自身の異変に気が付くのは、自分!/熱中症かも?と思ったら 熱中症対応フロー (jpnsport.go.jp)
ー知って防ごう熱中症ーnettyuusyo_all.pdf (jpnsport.go.jp)
スポーツ活動中の熱中症は、十分な計画と迅速な認識およびフィールドでのケアによって、予防することや軽症ですませることが十分可能です。常日頃、熱中症予防のための備品(WBGT計、体重計、健康管理日誌、経口補水液など)の準備や熱中症を疑った際の行動計画を作成し、繰り返し確認・練習しておくと良いでしょう。 (小児科 土谷)