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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

「省スペース家具」にご注意を

日本小児科学会から、1歳8か月の男の子の収納付きソファによる窒息事故が報告されています。

Injury Alert 0135.pdf (jpeds.or.jp)

 

4歳の男の子と双子の1歳8か月の男の子の3人が、ソファのある部屋で遊んでいたところ、収納部分に頭を入れ、ソファの収納の蓋と収納部分の間に頚部が挟まっている1歳8か月の男の子を、隣の部屋にいた父親が発見しました。

発見時、すでに呼吸と体動がみられず、父親によって心肺蘇生が行われ、救急搬送されました。

収納の蓋は、完全に座面が開いていれば、容易には閉まらない仕組みになっていましたが、不完全に座面が上がっていたか、重いものが座面上に乗るなどの力がはたらいた可能性が指摘されています。

 

搬送された男児は、頸椎を保護されつつ、人工呼吸管理等によって集中治療を受け、搬送から8日目に退院。退院 2 週後の外来受診時には独歩も可能となっており、明らかな神経学的後遺症を残さず回復しています。

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このケースは収納付きソファの収納部分の蓋と収納部分の間に頸部が挟まったことにより、窒息、呼吸障害に至った症例です。1~4 歳の死因の第3位は不慮の事故ですが、そのうち1歳の不慮の事故の内訳として、窒息に関連するものは 40% 弱を占めています。その多くが食物や誤嚥による窒息で、今回のような頭頸部を挟まれた事故による窒息の発生数は明らかではありません。

 

現在、蓋付き、跳ね上げ式、引き出しなどの収納付きのソファは省スペースとなるため、類似の商品は多数販売されています。小さな子どもがいる家庭ではいずれのタイプも頭部、体幹部、指などが挟まれるリスクがあり、頸部や頭部を挟まれると重篤な状況を来す可能性があることを認識しておきましょう。

 

保護者の皆さんが注意すべき主なポイントは

1)蓋を開け放しにせず、開けた場合は必ずすぐ閉める
2)少し大きな子どもになると自身で蓋を開けて完全に開けきらないままに蓋が閉まり、挟まれる可能性があります。商品選択の際、大きな重い蓋がついているような収納製品は避ける

3)子どもが安易に操作できないような、閉めた状態を維持できるようなフック付きの商品を選択する

 

子どもの行動は予測することが困難です。

「省スペース家具」の盲点をついた事故が、ご自身の家庭でも起こり得るということを知っておきましょう。 (小児科 土谷)

 

 

 

 

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