院長先生のブログ
災害に備えよう 感染症
災害が起きた被災地にはフェーズによってさまざまな感染症リスクがあります。
例えば、災害発生直後はケガから起きる感染症、災害発生1週以降では汚染された水や食べ物を介しての感染症、災害発生数週間以降では密集した場所での呼吸器感染症、麻疹などが流行するリスクがあります。
◆飛沫感染症の予防:かぜ、インフルエンザ、百日咳など
手洗い等の普段から出来る感染症対策を徹底しましょう。
手洗い・消毒:アルコール手指消毒、流水、石けんによる手洗いを行います。水が十分になければウェットティッシュ(おしりふき)等で代用しても良いでしょう。
咳エチケット・マスク着用:咳 / くしゃみのときはティッシュで口と鼻を覆います。続くときはマスクの着用を行いましょう。
予防接種:麻疹や水痘などは空気感染症で感染力が非常に強いです。一度発生してしまうと災害時でなくても感染症を封じ込めることが非常に困難です。災害時、栄養状態や衛生状態がより悪化する避難所などでは集団のワクチン接種率が低いと、爆発的に流行してしまう可能性があります。普段のワクチン接種が災害発生時の感染症対策になります。避難所などで感染症が大流行することを防ぐために、ワクチンをきちんと接種しておきましょう!
◆下痢症の予防:胃腸炎など
食事前とトイレ後、おむつ替えの際には、アルコール手指消毒、流水、石けんによる手洗いを行いましょう。水が十分になければウエットティッシュ(おしりふきでも代用可!)でも代用可能です。
可能な限り、加熱した食物を摂取するようにしましょう。
個人用タオル、ペーパータオルを利用するようにして、タオルの共用をしないようにしましょう。
嘔吐と発熱がなくなり、下痢の回数が減るまでは別室管理を行いましょう。
また、ノロウイルスなど胃腸炎のウイルスの消毒は塩素系消毒液(キッチンハイターなど)で行うようにしましょう。消毒時はゴム手袋着用するようにしましょう。ポリ袋や使い捨ての手袋は災害時では入手困難です。あらかじめ多めに備蓄しておくと良いでしょう。
災害から生き延びた後でも、避難所で感染症に罹患する可能性があります。
避難先で感染症に罹患しない、感染症を流行させないために、知識とともに平時から準備しておくと良いでしょう。 (小児科 土谷)