院長先生のブログ
小児の便秘③ ブリストル便形状スケール
子どもの便秘を簡単に判断する方法はあるのでしょうか?
子どもの便秘症診療で重要になるもののひとつに「ブリストル便形状スケール」があり、便秘の評価法として信頼性が高いと言われているので紹介させて頂きます。
慢性機能性便秘症と診断された小児44人(平均年齢7.8歳)と便秘の無い小児36人(平均年齢7.6歳)に関し、ブリストル便形状スケールを用いて排便状態を1週間記録し、便の腸通過時間と比較した論文(J Pediatr. 2013 Jun;162(6):1188-92.)があります。
便の通過時間が長ければ便秘である可能性が高いということになりますが、便秘症の小児、便秘の無い小児ともに便の形状と便の腸通過時間に有意な相関(相関係数 -0.84, P<.001)があったことが分かりました。
その一方、排便の頻度と便の腸通過時間に相関は認められず、排便の回数よりも便の形状の方が便秘の診断に有用で、ブリストル便形状スケールでタイプ3以下だと便秘である可能性が高いということが分かりました。
ご自宅でお子さんに便秘がありそうか?を判断する上で、便の形状は役に立ちます。
「ブリストル便形状スケール」は便の見た目で判断できるので簡単です。覚えておくと良いでしょうw (小児科 土谷)