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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

子どもは吸入ステロイドによって肺炎を起こすのか?

成人での吸入ステロイド(ICS)の使用と肺炎リスクとの関連についてはまだまだ議論の余地があります。小児に特化したエビデンスは乏しかったのですが、それに関する論文(Thorax. 2024 Jan 6:thorax-2023-220742. )が出たので、概略だけ紹介させて頂きます。

Use of inhaled corticosteroids and the risk of hospitalisation for pneumonia in children with asthma: a nationwide cohort study | Thorax (bmj.com)

 

この研究の目的は、小児(2~17歳)の気管支喘息患者での吸入ステロイド(ICS)使用と肺炎による入院リスクとの潜在的関連を評価することです。

スウェーデンにおける国内データに基づくコホート研究で(2007年1月~2021年11月)、気管支喘息が確認された小児42万5965例から、調剤された薬剤の記録を用いてICSを新規に使用したエピソードと使用しなかったエピソードを同定しました。傾向スコアのオーバーラップ重み付けを用いて潜在的交絡因子を調整し、肺炎を主診断とする入院のリスクを推定しました。複数のサブグループ解析および感度解析も実施しました。

 

ICS 24万9351回(平均追跡期間0.9年)および非使用21万4 840回(平均追跡期間0.7年)が同定されました。

追跡期間中、肺炎による入院イベントはICS群で369件、非使用群で181件観察されました。肺炎による入院の加重罹患率は、ICS群では1万患者年あたり14.5、非使用群では14.6であった。

ICS使用に関連した肺炎による入院の加重ハザード比は1.06(95%信頼区間0.88~1.28)であり、絶対率の差は1万患者年あたり-0.06(95%信頼区間-2.83~2.72)イベントでした。

 

小児に対する吸入ステロイド(ICS)使用と肺炎による入院リスクは非使用群と大差は無いようです。

喘息発作を起こして入院しないよう、普段からきちんと治療を継続しましょうねw(小児科 土谷)

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