院長先生のブログ
long COVIDの病態 -その他㉓-
COVID-19後に生じる疲労と慢性疲労の発生率を推定した報告(Emerg Infect Dis 2024 Feb.14)を紹介します。
2020年2月~2021年2月にCOVID-19と診断され、中央値11.4(四分位範囲7.8~15.5)ヶ月間追跡された患者4,589人の電子カルテデータを分析しました。傾向スコアマッチさせた対照群9,022人のデータと比較しました(傾向スコアマッチング解析)。
COVID-19患者(85%は非入院事例)では、疲労の発生率は10.2/100人年、慢性疲労の発生率は1.8/100人年でした。対照群と比較したハザード比は、疲労が1.68(95% CI 1.48-1.92)、慢性疲労が4.32(95% CI 2.90-6.43)でした。
更に疲労を有する患者は死亡リスクも高かったことが分かりました。
いわゆるCOVID-19感染後に認められる「疲労」に関する報告でした。
この「疲労」に効く特効薬が無い現状では、COVID-19には年齢を問わず罹患しないに越したことはないですねw (小児科 土谷)