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経年的に脳の体積は増加している

1930年代生まれと1970年代生まれの人を比較した結果、大脳皮質の表面積は14.9%も増加しているみたいですw(JAMA Neurol. Published online March 25, 2024.)

Trends in Intracranial and Cerebral Volumes of Framingham Heart Study Participants Born 1930 to 1970 | Neurology | JAMA Neurology | JAMA Network

 

1948年からアメリカのマサチューセッツ州フラミンガムで継続されている虚血性心疾患の追跡疫学調査研究「Framingham Heart Study」参加者の脳の体積をMRIで評価し、出生年により経年差が生じるかを検証した研究です。

 

参加者は3226人で、MRI撮影時の年齢は57.7±7.8歳でした。

検証の結果、頭蓋内体積、海馬体積、白質体積、皮質表面積は経年的に有意に大きくなっていたことが分かりました。1930年代生まれと1970年代生まれを比較すると、頭蓋内体積は6.6%増、海馬体積は5.7%増、白質体積が7.7%増、大脳皮質表面積は14.9%増でした。

最も経年変化が大きかったのは1930年から1940年の間でした。

以上から、1930年~1970年生まれの人において、脳の発達は経年的に良くなっていることが示唆されました。

 

脳の発達が改善した理由として、著者らは生活環境の改善が影響した可能性を挙げていました。

そして、この脳体積の増加がどんな効果を及ぼすか?について、著者らは脳の発達の改善は「脳の予備能」を大きくすると述べていました。

 

脳の発達を妨げる危険因子を修正できれば、認知症などの疾患の予防に有効である可能性があるってことでしょうか。

意外と!?脳が生活環境の変化によって、ダイナミックに変化するものだと知って驚きました。 (小児科 土谷)

 

 

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