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見附市小児科 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -その他㉗-

COVID-19後に糖尿病が増えることはほぼ既知の事実として知られていますが、そのメカニズムが明らかになりつつあります。

Infection with SARS-CoV-2 can cause pancreatic impairment | Signal Transduction and Targeted Therapy (nature.com)

 

この論文ではSARS-CoV-2 への感染は膵臓の障害を引き起こす可能性があることが示唆されています。

感染したSARS-CoV-2感染非ヒト霊長類モデルでは、空腹時Cペプチド値とCペプチド/グルコース比の上昇とともに、主にインスリン抵抗性経路に関する代謝障害が示されました。さらに、高齢のCOVID-19霊長類モデルでは、SARS-CoV-2感染によりβ細胞が消失し、膵島のアミロイドーシスと壊死、α-SMAの活性化、血清中のコラーゲンの低下からなる線維化の悪化、膵臓の炎症とストレスマーカーであるICAM-1とG3BP1の増加、さらに重度の糖代謝機能不全を特徴とするin situで発現インスリン量が低下していました。
それとは対照的に、ワクチン接種群はインスリン受容体αとインスリン受容体βを活性化することによってグルコースホメオスタシスを維持していました。


COVID-19感染後の糖尿病の累積リスクは年齢と密接に結びついており、高齢のCOVID-19患者では血糖管理により注意を払うべきであることを示唆しています。

ある研究では、小児や若者の2型糖尿病の年間発生率は、パンデミック前に比べて、パンデミック中に約3倍に増加し、とくに2年目には、1年目に比べ61%増加していたことが分かったと報告されています。その背景には、このようなメカニズムがあったのでしょう。。


COVID-19は、色んな意味で怖い感染症です。くれぐれも注意しましょう。 (小児科 土谷)

 

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