今日は子どものワクチンに関する話題です。小児用ワクチンに含まれるアルミニウム塩と自閉症、喘息、自己免疫疾患などの長期的な健康問題に関連があるか検討した論文( Annals of internal medicine. 2025 Jul 15; doi: 10.7326/ANNALS-25-00997.)を紹介します。
ちなみに、アルミニウム塩は子ども向け不活化ワクチンの効果を高めるためのアジュバントとして使用されている物質です。
デンマークで1997年から2018年の間に生まれ、2歳時にデンマークに居住していた122万4,176人の児を対象に、ワクチン接種によるアルミニウム塩への累積曝露量と慢性疾患との関連を検討しました(対象児は2020年まで追跡された)。
アルミニウム塩の累積曝露量は生後2年間に接種したワクチンに含まれる成分から推算し、曝露量1mg増加ごとのリスクを検討しました。アウトカムとした慢性疾患は、以下の3つの疾患グループに分類される50種類の疾患で、自己免疫疾患として皮膚・内分泌・血液・消化管に関わる疾患とリウマチ性疾患が36疾患、アトピー性またはアレルギー性疾患として喘息、アトピー性皮膚炎、鼻結膜炎、アレルギーなど9疾患、神経発達障害として自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症など5疾患でした。
その結果、生後2年間のアルミニウム塩の累積曝露量は、対象とした50種類の疾患のいずれについても、発症率の増加とは関連していないことが示されました。疾患グループ別に見ると、アルミニウム塩曝露量が1mg増加するごとの調整ハザード比は、自己免疫疾患で0.98(95%信頼区間0.94~1.02)、アトピー性・アレルギー性疾患で0.99(同0.98~1.01)、神経発達障害で0.93(同0.90~0.97)でした。
以上から、小児用ワクチンに含まれるアルミニウム塩と自閉症、喘息、自己免疫疾患などの長期的な健康問題との間に関連は認められないことが示されました。
ワクチンに含まれるアルミニウム塩に対する懸念が多く表明された時期もありましたが、どうやら大きな心配は無いようです。
子どもの健康のために最善の選択をするためのエビデンスの1つとして、覚えておきましょう。 (小児科 土谷)


