前回が「海」だったので、今回は「海」以外の野外活動について触れたいと思います。

「海」同様、野外活動にはさまざまな危険が潜んでいます。多くは事前に対策をとることが可能ですので、よく覚えておきましょう。

予防接種を忘れずに

野外活動する前に、接種しておくことが望ましいワクチンは五種混合ワクチン(破傷風を予防できるワクチンが含まれています)と日本脳炎ワクチンです。

お子さんの場合、決められたタイミング、回数をきちんと接種出来ていれば、大きな問題となることはありません。

接種出来ていない場合は、かかりつけ医と相談してワクチン接種を済ませておきましょう。

(海外旅行される際に接種しておくことが望ましいトラベルワクチンについては、別の機会に述べたいと思います)

熱中症・脱水症に注意

熱中症の予防で大切なことは、「暑い日に無理な運動をしないこと」です。

子どもは熱中症の危険が高いことが知られているため、暑い日は、帽子をかぶり、日差しを避け、無理な運動は控えましょう。

また、喉が乾いたら水分摂取を行いましょう。一般的に、市販のスポーツドリンクの塩分濃度は低いので、なるべく塩味のついたものを一緒に食べると良いでしょう。

 

熱中症の症状には、元気がない、ふらつき、頭痛、吐き気・嘔吐、筋肉のけいれん、性格変化(イライラなど)、意識障害などがありますが、子どもは自分で体の不調を訴えられないため、保護者がこれらの症状を観察し、速やかに対応しなければなりません。

 

熱中症の症状が出現したら、その場で出来る方法で体温を下げることが大切です。

まず、速やかに涼しい場所で安静にすると同時に、脇の下や足の付け根、頸部などを冷やしましょう。

症状が重篤な場合、冷たいプールや水風呂に入れることも効果的です。すぐにこれらが出来ない場合は、体の広い範囲を冷たい水で濡らし続けるか、冷たく濡らしたタオルを当てながら、団扇などを使って全身をあおいでも良いでしょう。

 

休んでも症状が改善がない場合、症状が重篤な場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

虫刺されに注意

野外に出る時は虫に刺されないような服装と虫よけ剤を使用しましょう。

虫よけ剤に含まれるDEETは、有効な虫の種類が多いものの、皮膚への刺激性が強いため12歳未満の子どもへの使用は濃度や使用回数に制限がありますし、生後6か月未満の乳児には使用できません。一方、イカリジンの入った虫よけ剤は子どもでも制限なく使用できます。使用する前に説明書をきちんと読みましょう。

いずれの虫よけ剤も有効時間が決まっているため、長時間の野外活動を行う際は、有効時間が切れる前に忘れずに「塗りなおし」をしましょう。

爬虫類・動物咬傷に注意

予防として、興味本位で動物やヘビなどの爬虫類にちょっかいを出さないことがとても重要です。

日本の毒ヘビはマムシ、ヤマカガシ、ハブの3種類ですが、咬まれると成人でも死亡する場合があります。子どもは成人よりも重症化しやすいので、咬まれたら速やかに医療機関を受診しましょう。見た目や牙の跡から「毒の無いヘビ」と特定することは難しいので、写真を撮っておくと便利です。

 

ドラマなどで見かける毒の吸引は効果が不明で、咬まれた部位の近位部を縛ることも症状を悪化させる可能性があるため、応急処置としては推奨されていません。

咬傷の際、細菌感染を起こすリスクが高いため、創部洗浄後、早めに医療機関を受診しましょう。

(国内であれば、狂犬病の心配はありません)

怪我・外傷に注意

ケガをするリスクが高い活動に参加する場合は、必ず専門家の指示に従って、ヘルメットや防護具などを着用しましょう。

頭部外傷後は、無理をせず安静にして、意識状態、吐き気・嘔吐、頭痛、集中力低下・性格変化などが出現しないか注意して観察しましょう。これらの症状が続いた場合、直ちに医療機関を受診するようにしましょう。頭部から出血が認められる場合、重篤でなければ、落ち着いてガーゼなどで抑えて止血を行いましょう。

 

胸・腹部受傷後、強い痛みや呼吸困難、顔色不良がある場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

四肢を強打して痛みや腫れが強い場合は、骨折の危険があります。受傷部位を、本人が一番楽な位置に保ち、速やかに医療機関を受診しましょう。

高山病

一般的には、標高2500m以上の登山で発症すると言われています。

高山病の初期症状には、頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、ふらつきなどがあり、進行すると意識障害をきたし死亡する場合も在ります。

高山病の初期症状が認められたら、原因がはっきりしなくても、速やかに下山(標高を下げる)し、医療機関を受診しましょう。

 

 

前回の「海」につづき、今回は陸のアウトドア活動時の注意点について触れました。

楽しいレジャーですが、何事にも危険はつきものです。

くれぐれも油断しないようにしましょうねw (小児科 土谷)