新型コロナワクチン接種を躊躇する理由について調べた研究( Lancet (London, England). 2026 Jan 24;407(10526);350-362. doi: 10.1016/S0140-6736(25)01912-9.)を紹介します。

Profiling vaccine attitudes and subsequent uptake in 1·1 million people in England: a nationwide cohort study – The Lancet

 

2020年5月1日~2022年3月31日に、国民保健サービス(NHS)リストを用いて英国の一般診療所の登録患者から無作為に抽出した住民を、SARS-CoV-2ウイルス陽性率および抗スパイク抗体陽性率をモニタリングする「Real-time Assessment of Community Transmission:REACT研究(REACT-1およびREACT-2)」に定期的に招待しました。参加者は、人口統計学的情報、併存疾患、行動(喫煙、マスク着用など)、COVID-19既往歴、ワクチン接種状況や接種に対する姿勢を含む詳細な調査に、オンラインまたは郵送で回答しました。

COVID-19ワクチンの接種を拒否した、拒否する予定である、または接種するかどうか未定であると回答した参加者を「ワクチン接種躊躇集団」と分類し、自己申告では未接種と回答したものの、NHSの記録では接種済みと確認された参加者は、以降の解析から除外しました。

主要アウトカムは、横断分析ではワクチン接種躊躇、縦断分析ではワクチン接種躊躇集団のうち調査後にNHSワクチン接種記録との連携に同意した参加者における調査後のワクチン接種でした。ワクチン接種躊躇の理由はコンセンサスクラスタリング法を用いて分類し、横断分析および縦断分析ではロジスティック回帰モデルを用いてワクチン接種躊躇およびその後の接種の予測因子となる人口統計学的要因を特定しました。

 

その結果、REACT研究の全参加者435万4,480人のうち、2021年1月6日~2022年3月31日に調査された18歳以上の成人113万7,927人が解析対象となりました。

解析対象集団のうち3万7,982人(3.3%)が調査期間中にワクチン接種躊躇を示しており、接種躊躇率は2021年1月の調査では7.9%と高かったが、2022年初頭には1.1%まで低下し、その後2022年2月および3月には再び2.3%に増加しました。

ワクチン接種躊躇集団のうちNHSのワクチン接種記録との連携に同意した2万4,229人において、1万5,744人(65.0%)は1回以上のワクチン接種を受けていました。

クラスター分析の結果、ワクチン接種躊躇の理由として、有効性や副作用への懸念、COVID-19のリスクが低いとの認識、ワクチン開発者への不信感、ワクチンや副作用への恐怖など、8つのカテゴリーが特定されました。有効性や副作用への懸念に関連する最も一般的な接種躊躇カテゴリーは、調査期間中に大幅に減少し、後のワクチン接種との強い関連性は認められませんでした。信頼性の低さ、リスク認識の低さ、一般的なワクチン反対感情に関連する一部の接種躊躇形態はより抵抗性が高く、2022年に再燃し、その後のワクチン接種の可能性の低下と強く関連していました。

 

以上から、接種躊躇の大半は「効果」「安全性」「長期的影響」に関する具体的な懸念に由来しており、時間経過や接種に関する情報提供を充実させることである程度は克服可能だと思われます。

新興感染症が起きるたびにワクチン騒動している訳にはいかないので、今回のCOVID-19を教訓として良い策を打ち出せるようにして欲しいものです。 (小児科 土谷)