院長先生のブログ
新型コロナ・二価ワクチンは高齢者の死亡率をどの程度下げるのか?
今日は新型コロナ・二価ワクチンに関する話題です。
秋以降にワクチン接種を予定されている方も多いと思うので、その効果に関するアメリカCDCからのデータ(MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2023 Jun 16;72(24):667-669. doi: 10.15585/mmwr.mm7224a6.)です。3つの異なる期間において、65才以上の高齢者で、二価ワクチンを接種していない人と接種した人の死亡率を比べています。
その結果、それぞれの期間でBA.5, BQ.1系、XBB系という異なる変異株が流行していましたが、いずれの期間においても、二価ワクチン接種者は非接種者に比べて大きく死亡率が下がっていました(接種後2か月で8~16分の1、接種後6か月で7~11分の1)。日本でも流行しているこれらの変異株に対しても、二価ワクチンを接種することによって死亡率を大きく下げることが出来ることが分かりました。
高齢者にとって、COVID-19は軽症ですむ感染症ではありません。
罹患しないために、重症化しないために、今出来ることを着実に実施していきましょう。 (小児科 土谷)