新型コロナウイルス感染症の発生当初、年齢が低いほど症状が出にくい、つまり無症状感染者が多いことが指摘されていました（Nature Medicine volume 26, pages1205–1211(2020)）。

今日はそれに関連して、小児のCOVID-19に関する論文（JAMA Netw Open. 2022;5(8):e2227348. ）を紹介します。

この論文は、米国、メリーランド州で11/24/2020-10/15/2021に、子どもが居る175軒、計690人に対して、子どもたちにどのような症状が現れるのか、そして症状の発現の程度と鼻腔中のウイルス量に相関があるのかを調査しています。結果のみ抜粋しますが・・。

感染した小児の約4割が無症状であり、症状が出ても軽い上気道症状のみのことが多く、感染後の症状がはっきりと増えるのは17才以上の年齢層だということが分かりました。つまり、若年小児ではCOVID-19に罹患しても見つけにくいということです。

上記の結果を踏まえると、元々症状が軽い傾向の在るオミクロン株では、「更に見つけにくい」ということは想像に難くないと思います。　（小児科　土谷）