院長先生のブログ
赤ちゃんの睡眠環境
今回は睡眠環境に関する内容(主に乳児健診などで相談される内容中心)にします。ベビーグッズの種類はたくさんあるため、デザインや価格で選びがちですが、重要なポイントは安全性です!
ベビーベッドと布団のどちらが良いのか?
安全性だけを見れば、ベッドがお勧めです。赤ちゃん布団は、保護者の寝る大人用布団に並べて敷かれることが多いため、意図せずに大人用布団が赤ちゃんにかぶさることで窒息の危険性が生じるからです。
年齢の小さな兄弟姉妹がいる家庭でも赤ちゃんベッドの方が安全です。布団の場合、容易に兄弟姉妹が赤ちゃんに触れられるため、小さなおもちゃやお菓子の誤飲・窒息などの事故が起こる可能性があるからです。また、布団を並べて寝ていた兄弟姉妹が、寝ている間に身体の上に乗ってしまい窒息させてしまう危険性もあるからです。
どんなベッドが良いのか?
店舗に並んでいるものは国の安全基準を満たしているため、安心です。一方、昔から使っているベッド、アンティークベッドのような古い寝具は安全性を確認してから使用しましょう。
【安全なベッドの条件】
- ベッド柵の棒の間隔が6cm以下(これ以上の間隔だと新生児の頭が挟まるリスクあり)
- ベッドマットは硬く、ベッドとの間に隙間がない
- ベッドマットから測定して、柵の高さが66cm以上;柵が壊れていないか、棘がないか確認
ベッドにバンパー(緩衝材)は必要ですか?
赤ちゃんを衝撃から守るエビデンスに乏しいこと、赤ちゃんが挟まって窒息する危険性があること、月齢が進むとバンパーを足がかりにして柵をよじ登る危険性があることから、使わなくても良いと思います。
赤ちゃんベッドを更に安全に使うための工夫はありますか?
- 硬めのマットと軽い掛け布団を使いましょう
- 大きな玩具、ぬいぐるみ、分厚い毛布、柔らかな枕・クッションは窒息の原因になるのでベッドの中には入れないようにしましょう
- ベッド周囲に本棚や写真立てなど、倒れたり、落下したりする危険性のあるものを置かないようにしましょう
- ベッドは直射日光をさけ、窓から離れた場所に配置しましょう。
- カーテンやブラインドの紐がベッド内に入らないように注意しましょう
- 赤ちゃんがベッドにいるときは、必ず上まで柵を上げましょう
赤ちゃん布団を使う場合の注意点は何ですか?
ベッド同様、柔らかすぎず、厚すぎない布団を床の上に敷き、薄い掛け布団のみとします。布団の周囲に枕やクッション、ぬいぐるみを置かないように心がけましょう。
親や兄弟姉妹の布団は少なくとも2mは離すようにしましょう!
SIDSなどの悲しい事故を防ぐため、赤ちゃんを守る「睡眠環境の整備」は大事です。
各家庭の間取りや財政事情もあるので、「100%の正解」があるわけではありませんが、今日触れたことを参考にして頂ければ幸いです。 (小児科 土谷)