院長先生のブログ
COVID-19 ワクチン①
新型コロナウイルスワクチンに関する情報は日々更新されるため、これまであえて「テーマ」として扱って来ませんでしたが、今後は役立ちそうな情報だけを抜粋して取り上げさせて頂きます。気の向くままに読んでいるので、時系列的に前後したり、内容が偏ったりすると思いますが、何卒ご了承ください。
今回はBA.4/5二価ワクチンによる追加接種の感染予防効果と入院重症化阻止効果について調べた論文(Lancet Respir Med 2023 Oct.25)です。
123,419例を解析した結果、新型コロナワクチン従来株2回接種者と比較して、BA.4/5対応ワクチンのブースター接種者は重症化リスクを50%、入院リスクを39%、救急受診リスクを35%、外来受診リスクを28%減少させたことが分かりました(XBB系統の感染に限定しても同様の傾向がみられた)。
論文中の図をもとに、抜粋して説明します。
追加接種の有無による、重篤状態、入院、救急外来訪問、外来受診の4つの項目に関するワクチン有効率です。入院・重症化を含むすべての項目において、時間とともにワクチン有効率は下がるものの、追加接種をするとすべての項目においてワクチン有効率が大きく改善していることが分かります。
オミクロン株に対する効果が示しますが、二価ワクチンによる追加接種はBA.4/5に対しても、XBBに対しても有効であることが分かります。
以上から、二価ワクチン接種による追加接種は有効で、特に入院・重症化阻止効果を維持するためにはとても重要であることが分かります。勿論、XBB株用ワクチンでも効果は同様と思われます(BA.4/5とXBBはよく似ているので)。
過去に、複数回のワクチン接種を受けたからもう大丈夫ということはありません。
追加接種を受けていない方は、接種されることをお勧めします(特に、高齢者や基礎疾患をお持ちのハイリスク患者の皆さん)。 (小児科 土谷)