院長先生のブログ
大人も麻疹にかかりますか?
答えは「Yes」
これまでは「麻疹は子どもの病気」という印象が強かったと思いますが、現在はワクチン定期接種によって子どもの麻疹発症は抑えられているため、今や成人発症例に注意が必要な病気となっています。
生まれ年によって異なるワクチン接種歴
- まず母子手帳を確認してみましょう!(こういう時に母子手帳は便利!)
- 麻疹ワクチンが定期接種になったのは1978年で、当時1回の定期接種でした。1回接種では十分な免疫がついていない可能性があります。
- 2008年の特例措置によって、追加接種が実施されました。2000年以降に生まれた人は、2回の定期接種を受けていると思います。
- 生年月日ごとのワクチン接種歴(下図)
- 過去に確実に麻疹にかかっている場合は予防接種の必要はありません。
- 麻疹に罹患したかどうかは麻疹抗体価を医療機関で調べる必要があります。接種歴や罹患歴に自信がない方は医療機関で検査してみましょう。
- 追加接種を希望する場合は自費となりますが、自治体によっては助成してくれる場合もあります。
麻疹は感染力が高い
もし、電車やバスで近くに座っている人が麻疹だった場合、通常のマスクでは感染予防は困難です。
はしか、国内で複数の感染者確認 同じ新幹線車両に乗り合わせ:朝日新聞デジタル (asahi.com)
唯一の予防法は、ワクチン接種で麻疹に対する免疫を獲得しておくことです。
前の職場で自分の麻疹抗体価を測定したところ、きちんと免疫を持っていたので安心した記憶があります。麻疹の免疫について不安がある方は、これを機に調べてみてはいかがでしょうか。 (小児科 土谷)