院長先生のブログ
子ども向けアニメの方がメインキャラクターの〇〇リスクが高い
今日は日常生活で「ふと思ったこと」を出発点にして論文ネタを探してみました。
何かというと、「子どもたちが見るアニメや映画の方が地味にキャラクター死亡率が高い」ということです。誰もが知る「鬼滅の刃」みたいな戦闘モノなんて、それはもう死にまくりですw
それに対して、大人も見る地上波のドラマではそれほどでもない。。(最近は特に)
この感覚、日本だけなのかというと、海外でも同じみたいというのが今朝の論文(BMJ 2014; 349 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.g7184 :クリスマスBMJなので気楽に読みましょう)です。この論文では、子ども向けのアニメ映画と成人向けの映画を比較して、主要キャラクターのスクリーン上での死亡リスクについて検証しています。
この論文では、45の子ども向けアニメ映画と90の成人向け映画の主要キャラクターを対象として、最初にスクリーン上でキャラクターが死亡するまでの時間をKaplan-Meier法で比較解析しています。視聴には著者のTVを使用しています(笑)。
結果(下図)
ちなみに、子ども向けアニメ映画のキャラクター死亡原因として多かったものは、アニマルアタック(動物による)11.1%、落下11.1%でした。成人向け映画では銃によるキャラクター死亡が14.4%と多く認められました。
そして、子ども向けアニメ映画の主要キャラクターは、成人向けの映画と比較して死亡リスクが有意に高く(ハザード比2.52, 95%信頼区間1.30 to 4.90)、主要キャラクターのスクリーン上での殺人行為も、成人向け映画よりも子ども向け映画の方がリスクが高かった(ハザード比2.78, 95%信頼区間1.02 to 7.58)みたいです。
子ども向け映画・アニメだから人畜無害と思われがちですが、実は子ども向けのものの方が暴力的だったりするという悲しい現実。。日本も海外も、そう大きく変わらないみたいです。 (小児科 土谷)