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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -持続感染①-

long COVIDの病態の中で、ウイルスの「持続感染」に関する論文(medRxiv. June 16, 202(doi.org/10.1101/2022.06.14.22276401))を紹介します。

 

この論文では、COVID-19患者コホート63名(うちPASCが37人)から採取した血漿を分析し、循環ウイルス抗原と炎症マーカーを定量化しました(ウイルス抗原としてスパイク蛋白(S)、S1蛋白(S1:スパイク蛋白のS1サブユニット)、ヌクレオカプシドタンパク質(N)を測定)。

その結果、SARS-CoV-2陽性診断から数ヶ月後でも、PASC患者のほぼ65%でS,S1,Nのいずれかが検出されました(Sは60%で検出)。PASC患者のうち、12人の患者で複数回抗原が検出され、抗原の持続的循環が示唆されました。

long COVIDを免れた6人のCOVID-19患者では、COVID-19の診断後すぐに高いレベルの抗原を示したものの、まもなく検出不可能なレベルまで減少しました。

 

以上から、long COVIDでは診断から12ヵ月後までウイルスのリザーバー(体内貯蔵庫)が持続的に存在し、スパイク蛋白はPASCのバイオマーカーとなることが示唆されました。

SARS-CoV-2の持続感染もlong COVIDに噛んでいる模様です。現在使われているワクチンはスパイク蛋白質に対する中和抗体を作ることから、ワクチン接種が後遺症リスクの軽減に役立つと考えられます。 (小児科 土谷)

 

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