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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

Hands – Only CPR

救急の日(9月9日)を含む1週間は救急医療週間でもあります。

9月9日は過ぎてしまいましたが、折角なので久しぶりに救急関連の話題にします。

 

ハンズオンリーCPR (Hands – Only CPR)をご存じですか?

成人一次救命処置(BLS)のアルゴリズムは、医療従事者にとってそれほど難しいものではありませんが、一般市民の皆様にとっては、これをスムーズに行うことは容易ではありません。緊急事態に遭遇した大多数の人々はパニック状態に陥りますし、それまでに心肺蘇生の講習を受けた経験がある人でさえも、その手順を思い出すことは難しく、思い出せたとしても自信を持って手技を実践することは困難です。特に、見ず知らずの傷病者に口対口人工呼吸を行うことは、精神的にも、技術的にも、かなり難しいことだと言わざるを得ません。

 

このような障壁が、院外心停止の際に、その場に居合わせた人による心肺蘇生(バイスタンダーCPR)がほとんど行われないことに関連していると考えられています。救命のために欠かせないバイスタンダーCPRを広めるためには、もっと簡単で、誰でも実践できるCPRの方法を提案し、普及させる必要があります。

 

 「Hands-Only CPRとは、直訳すれば「手だけのCPR」のことですが、そのために導入されたシステムです。「手だけ」とは、口を使わない、すなわち人工呼吸をしない、胸骨圧迫だけのCPRという意味です。Hands-Only CPRでは、緊急事態に遭遇した救助者は、2つのステップ(①119番通報する、②胸の中央を強く、早く圧迫する)で行動します

119番通報したら、すぐに胸骨圧迫を始めます。一般市民の救助者には脈の確認は要求されません。

胸骨圧迫は一分間に100回~120回のスピードで、胸骨が5cm以上沈む強さで、救急隊が到着するまで絶え間なく続けます。換気(人工呼吸)は行いません。

米国心臓協会AHAの「Hands-Only CPR」の紹介ビデオです。非常に良くできていますので、ぜひご確認ください。

Nation of Lifesavers | American Heart Association

 

もしも、そんな場面に遭遇したら、勇気を出して行動に移してみましょう。

その両手があれば、救える命があるのです! (小児科 土谷)

 

 

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