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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

リラックスは大事

今日は趣向を変えて、感情が心血管系に与える影響について調べた論文(Psychosom Med. 1981;43(4):343-64.)があったので紹介します。

 

この研究では、32人の被験者を対象に、座っているときと運動しているときの、幸福、悲しみ、怒り、恐怖、リラックス、コントロールのイメージ後の心血管系変化を調べています。

グラフの縦軸が血圧(mmHg)、心拍数(拍/分)です。横軸は感情(喜び、悲しみ、怒り、恐怖、コントロール、リラックス)です。

その結果、「恐怖」よりも「怒り」が心血管系パラメータ(心拍数、収縮期血圧、拡張期血圧)に最も大きな変化(増加)をもたらし、リラックスとは明らかに反対でした。「怒り」はイメージ後の拡張期血圧の上昇が大きく、運動後の心拍数の上昇と収縮期血圧の回復が遅いという点で、恐怖や他のすべての条件と異なっていました。

 

場面を想像しただけの実験なので、本当に怒った場面ではもっと血圧も心拍数も上がっているのだと思います。この「怒り」による心血管系への影響の特徴は、拡張期血圧(DBP)が顕著に上がっていることです。交感神経系が賦活されるとアドレナリンが分泌されますが、主に収縮期血圧や心拍数が上昇します。怒りは、アドレナリンに加えて、ノルアドレナリンも分泌されるので拡張期血圧も上がるということなのでしょう。「怒り」という感情はそれだけ、人間の身体にとって特異的な感情なんですね。


血圧(収縮期/拡張期)、心拍数が上がれば、心臓に負担がかかり心臓病や血管疾患のリスクが高まります。

常日頃リラックスことを心掛け、怒りなどの負の感情が沸きすぎない生活を送ることを心掛けたいものです。 (小児科 土谷)

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