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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -持続感染⑭-

long COVIDの病態「持続感染」に関する論文(NEJM evidence July 20, 2023(doi.org/10.1056/EVIDoa2300046))です。

 

SARS-CoV-2感染後、6週間以上持続する味覚障害を訴えた患者16人に舌の茸状乳頭生検を実施しました。6人は感染後6ヵ月までに味覚は回復したものの、10人は6ヵ月以上味覚障害が持続したため複数回の生検を実施しました(4人は論文投稿時も味覚は完全回復していない)。

その結果、全患者に茸状乳頭の上皮細胞で最長63週間後までSARS-CoV-2蛋白(スパイク蛋白,ヌクレオカプシド蛋白)が認められました。また、これに伴う免疫反応(CD8 T細胞による細胞傷害性免疫応答)、間質の神経線維の消失、味蕾構造の破壊(不整形化または欠如)も認められました。

論文中では、PASCにおける味覚障害はウイルスが長期間にわたり局所的に存在することと、それに伴う舌乳頭内の病理変化が原因ではないかと推測しています(PASC患者の味覚障害は舌におけるウイルスの持続感染により生じる)。 (小児科 土谷)

 

 

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