COVID-19と急性虚血性脳卒中のリスクとの関連を検討した論文（Neurology. Feb 3, 2022（doi.org/10.1212/WNL.0000000000013184））です。

2020年4月～2021年2月までにCOVID-19と診断され、2019年1月～2021年2月までに急性虚血性脳卒中で入院した65歳以上の健康保険プログラム・メディケアのfee-for-service（診療ごとの個別支払い）を行う3万7379人が対象となりました。COVID-19の診断時年齢の中央値は80.4歳（四分位範囲73.5-87.1歳）、女性が56.7％でした。感染曝露日（day = 0）の急性虚血性脳卒中をリスク期間に含めると、COVID-19診断後0～3日、4～7日、8～14日、15～28日の感染群と非感染群の疾病発生率の比(incidence rate ratio；IRR)は10.3、1.61、1.44、1.09でした。脳卒中の既往がない人や若い人ほど関連が強く認められましたが、性別や人種・民族を問わず、ほぼ一貫していました。

以上から、（現在のオミクロン株にそのまま当てはまるかは分かりませんが）65歳以上において、COVID-19診断後の最初の3日間は急性虚血性脳卒中のリスクが10倍増加するので注意が必要です。　（小児科　土谷）