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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

ニューロダイバーシティ

あっという間に3月。もうすぐ春休みがやってきます。

子どもたちにとって、春休みや夏休みといった長期休暇は楽しいものですが、「小児科外来あるある」としては「長期休み明けの不登校が増える」ことが挙げられます。

 

お子さんが「学校に行きたくない」と訴えたとき、どういう状況ならば「励ましてでも登校させた方が良い」のか、「休ませた方が良い」のか、きちんと線引きすることは難しいと思いますが、精神疾患などの二次障害を防ぐことを考えると、(子どもが登校しない現実を受け入れることは苦しいと思いますが)状況によっては休ませざる得ないのかなっと思うことがあります。

 

僕たちの学生時代と違い、随分フリースクールも増えました。

インターネットで「繋がり」を持つことが出来る世の中にもなりました。

不登校の子どもにあるかもしれない発達障害に対する理解も随分進んできました。

 

ニューロダイバーシティ(Neurodiversity;神経多様性)という言葉があります。

Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方で、特に、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害といった発達障害において生じる現象を、能力の欠如や優劣ではなく、『人間のゲノムの自然で正常な変異』として捉える概念です。

難しいので、ざっくりいうと、精神疾患(コミュニケーションや社会参加が苦手というレベルも含めて)があっても、それを多様性ととらえて個々の人権を尊重するという考え方です。これからの社会は益々「ニューロダイバーシティ」が尊重されるようになっていくと思います。

ニューロダイバーシティの推進について (METI/経済産業省)

 

学校という集団や組織の中に入るのが苦手なら、自宅でオンラインで勉強したり、遊んだりすれば良いのです。学び方、遊び方はひとつではないのです。社会人になっても、会社に入らなくても出来る仕事は沢山あるわけで、働き方がひとつではないのと一緒です。

 

コロナ禍でオンライン授業が拡大した際、不登校のお子さんたちが「学校の授業に参加できた!」と外来で喜んでいたのを思い出すと、せっかく構築したオンライン授業のノウハウを廃れさせず、子どもたちのニーズに合わせて上手く活用してくれないかな~っと思っています。 (小児科 土谷)

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