院長先生のブログ
COVID-19は自己免疫性疾患の発症リスクを上昇させる①
COVID-19と自己免疫疾患の関連、およびCOVID-19ワクチン接種の予防効果を検討した後方視的コホート研究(eClinMed. August 16, 2023(doi.org/10.1016/j.eclinm.2023.102154))を紹介します。
対象はCOVID-19患者102万8721人と非COVID患者316万8467人です。
調整ハザード比は、多発性硬化症2.66、類天疱瘡2.39、抗リン脂質抗体症候群2.12、免疫介在性血小板減少症2.10、悪性貧血1.72、血管炎1.46、乾癬1.42、脊椎関節炎1.32、バセドウ病1.30でした(いずれも有意差あり)。
一方、ワクチンの2回接種により、類天疱瘡、抗リン脂質抗体症候群、免疫介在性血小板減少症、バセドウ病、自己免疫性関節炎のリスクは減少しました。
以上から、COVID-19は色々な自己免疫性疾患の発症リスクの上昇と関連しているものの、そのリスクはワクチン接種によって軽減される可能性があること分かりました。(小児科 土谷)