今回は病態という訳ではありませんが、COVID-19患者に伴う認知機能障害に関するレビュー（Eur J Neurol. 2023 Aug 4.（doi.org/10.1111/ene.16027））が出ていたので紹介します。

What do we mean by long COVID? A scoping review of the cognitive sequelae of SARS‐CoV‐2 infection – Nicotra – European Journal of Neurology – Wiley Online Library

180件の研究が対象となりましたが、うち3分の1のみが認知機能障害の定義を行っていました。

最も多く報告された認知機能障害は、前向性記憶障害＞注意・遂行障害＞ブレインフォグで、精神症状ではうつ、不安、睡眠障害でした。ほとんどの研究で全身症状として疲労が認められていました。

36の研究で認知機能検査が行われており、認知機能障害は被験者の39％に認められ、最も頻度の高い領域は注意・遂行機能（90％）と記憶（67％）でした。

以上から、COVID-19後の認知症候群は記憶障害と注意・遂行障害を、疲労、不安、うつとともに認めるようです。　（小児科　土谷）