院長先生のブログ
プレ・プロ・シンバイオティクス②
昨日に引き続いて、紛らわしい用語の説明です。
プレバイオティクス(prebiotics)
大腸内の特定の細菌の増殖及び活性を選択的に変化させることで、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分と定義されています。食品成分の中では、難消化性のオリゴ糖類が最も良く利用されていますが、その他にプロピオン酸菌による乳清発酵物などがあります。
プレバイオティクスの条件
1)消化管上部で加水分解、吸収されない
2)大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌の選択的な基質であり、それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する
3)大腸の腸内フローラを健康的な構成に都合の良いように改変できる
4)宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する
プレバイオティクスの機能性については、整腸作用(便通改善)、抗脂血作用、インスリン抵抗性の改善、ミネラル吸収促進作用、アレルギー抑制作用、腸管免疫の増強などが報告されています。
日本では、特定保健用食品の関与成分として認可されています。
シンバイオティクス(synbiotics)
プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものです。
プロバイオティクスが生きた細菌として、腸内細菌叢のバランス改善などの作用により宿主動物に有益に働き、プレバイオティクスは腸内有用菌の増殖を促進したり、有害菌の増殖を抑制したりすることで、宿主に有益に作用します。
この2つを組み合わせることで、双方の機能がより効果的に宿主の健康に有利に働くことを目指しています。 (小児科 土谷)