メニュー

   

お電話

見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

舌下免疫療法の効果は、何年続きますか?

舌下免疫療法(SLIT)はアレルギー性鼻炎の根治療法として役立つため、当院でも積極的に導入しています。

今回は舌下免疫療法の効果が何年続くのかに関する論文(J Allergy Clin Immunol. 2010 Nov;126(5):969-75.)です。若干古めの論文ですが、外来でSLITの説明する際に引用する元ネタなのでご容赦願います。

Long-lasting effects of sublingual immunotherapy according to its duration: A 15-year prospective study – Journal of Allergy and Clinical Immunology (jacionline.org)

 

舌下免疫療法(SLIT)の長期効果と最適な治療期間について調査するため、ダニへの感作を持つアレルギー性鼻炎・気管支喘息患者を15年間追跡調査しました。

対象者を4群(①対症療法のみ、②SLITを3年、③SLITを4年、④SLITを5年)に分け、毎冬に臨床スコア、皮膚感作、メタコリン反応性、鼻汁好酸球を評価しました。臨床的効果期間は、臨床スコアがベースライン値の50%未満を持続している期間としました。臨床的効果がなくなった後は、その患者にSLITの再投与を行いました。

 

結果:78人の患者が登録され、59名が研究を完了しました。

①対症療法のみの群は、試験期間中に臨床スコアの改善は認められなかった

②SLITを3年投与された患者では、臨床的効果期間はSLIT終了後7年であった

③④SLITを4年または5年投与された患者では、臨床的効果期間はSLIT終了から8年であった

*臨床的効果がなくなった後のSLIT再投与では、初回のSLIT導入よりも速やかに効果が発現した

*メタコリン反応性や鼻汁好酸球は、臨床スコアと相関していた

 

以上から、SLITの最適な投与期間は4年であり、3年よりも効果が持続し、5年と同様である。

 

SLITは4年継続するとSLIT終了後も効果は8年続きます。先のライフイベントを見越して、早めに導入するのも選択肢の一つだと思います。 (小児科 土谷)

 

 

この記事をシェアする