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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

乳幼児の喘鳴が持続することを予想できるのか?

折角なので、昨日に関連した内容の論文です。これも若干古めの論文(J Asthma Allergy. 2017; 10: 83–98.)ですが、ご容赦ください。

Factors predicting persistence of early wheezing through childhood and adolescence: a systematic review of the literature – PMC (nih.gov)

 

繰り返す喘鳴を呈する年少児において、症状の持続を予測する因子を同定した全研究のシステマティックレビューを行っています。

2016年6月までにMEDLINE、EMBASE、CINHAL、SCOPUSの各データベースを検索し、関連する研究のシステマティックレビュー実施し、喘鳴を繰り返す年少児の、症状持続の予測因子を同定した研究が検索されました。

文献検索では、649件が検索され、そのうち619件は関連性がないため除外されました。参考文献リストから5件の追加研究を加え、最終的に35件のレビューを行いました。

同定された全ての予測因子中、最も良く同定されたものは、喘息またはアレルギー疾患の家族歴(親、特に母親の喘息)、アレルギー疾患の既往(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)、生後早期のアレルゲン感作(特に多数の感作)、喘鳴/症状の頻度(持続性)、臨床経過(感冒を伴わない喘鳴、運動誘発性)、重症度(重症の喘鳴エピソード)、好酸球(血中、鼻汁中ECP)、呼気NOで、学童期を通じて喘鳴が持続する危険因子であることが分かりました。

特殊な検査を行う必要のない項目は、日常診療で使いやすいですが、個々の症例でそのまま適応するのは難しいこともあり、その他の予測ツールと合わせて今後の経過を見通すことになります。

 

近年、重症となり呼吸機能が低下している子どもは喘息が治りにくいことが指摘されています。

予測ツールだけで先を見通すことなく、きちんと定期受診を行い、発作を繰り返さないようにしましょう。 (小児科 土谷)

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