院長先生のブログ
風邪に対する「うがい」の根拠①
保健センターや保育園に乳幼児健診などで伺うと、「うがい」や「手洗い」など感染予防のポスターが壁によく貼ってあります。そこで、今回は「うがい」の風邪に対する効果についての論文(Am J Prev Med. 2005 Nov;29(4):302-7.)です。
ボランティア被験者を、「うがいをしない群」、「ヨードうがい群」、「水うがい群」にくじ引きで割り付けて、うがいの風邪予防効果を検証しています。うがいは1日3回、1回につき15秒を3セット。
その結果、1か月あたりの風邪発症率は、うがいをしない群で26.4人、水うがい群で17.0人、ヨードうがい群で23.6人という結果で、水うがい群の風邪発症率が少なかったことが分かりました。
意外にも、ヨードうがい群の風邪発症率が低くならなかった理由として、ヨードのうがい薬が口腔内常在菌もやっつけてしまうため、風邪ウイルスに対する防御機構を弱めてしまうのではないかと考察されていました。
呼吸器系のウイルス感染を予防するための「うがい」は、「しないよりしたほうがよい」みたいです。感染症流行期には、手洗いに加えて「うがい」も実施すると良いと思います。 (小児科 土谷)