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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

1型糖尿病に対する抗ウイルス療法

これまで、1型糖尿病と診断された患者の膵島に対するエンテロウイルス感染が指摘されていました。

1型糖尿病に対するプレコナリル+リバビリンによる抗ウイルス療法が膵β細胞の機能維持に寄与するのか調べた論文(Nat Med 2023 Oct.4)を紹介します。

Pleconaril and ribavirin in new-onset type 1 diabetes: a phase 2 randomized trial | Nature Medicine

 

新たに1型糖尿病と診断された小児および青年(6~15歳)96例の第2相プラセボ対照無作為化並行群間二重盲検試験で、プレコナリルおよびリバビリンによる抗ウイルス治療(n=47)またはプラセボによる治療(n=49)を6ヵ月間受けました。

その結果、プレコナリル+リバビリンによる6ヶ月間の抗ウイルス療法を受けた群は、プラセボに比して、12ヶ月後の血清C-ペプチドAUCが有意に高く、抗ウイルス療法は残存インスリン産生を維持する可能性があることが分かりました。そして、治療の忍容性も良好でした。

以上から、プレコナリル+リバビリンによる抗ウイルス治療が新規発症の1型糖尿病の小児および青年において、残存インスリン産生を維持する可能性があることが分かりました。

1型糖尿病の予防と治療において、抗ウイルス療法による治療戦略を今後検討する必要性が出てくるかもしれませんねw (小児科 土谷)

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