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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

喘息の一次予防⑦

果物摂取によってアレルギー発症を抑えることができるのか?について調べた日本の論文(Pediatr Allergy Immunol. 2017 Dec;28(8):793-800. doi: 10.1111/pai.12817. Epub 2017 Nov 2.)を紹介します。

Fruit intake reduces the onset of respiratory allergic symptoms in schoolchildren – Kusunoki – 2017 – Pediatric Allergy and Immunology – Wiley Online Library

 

滋賀県近江八幡市の全小学校に対して、前向きコホート研究を実施しました。アレルギー症状及び食事に関するアンケートは2011年~2014年の4年間連続で、7歳児の両親759人に配布されました。吸入アレルゲン特異的IgE抗体価は10歳時に測定しました。

参加者は4つの食品(果物、野菜、魚、豆)に関し、調査期間中に少ない、普通、多い摂取群に分類されました。オッズ比及び95%信頼区間を推定するためにロジスティック回帰分析を行いました。

 

両親が4年間、質問票に回答した520人の小児(68.5%)が分析されました。

10歳時における、喘息、鼻炎、その他のアレルギー症状の有病率は、果物摂取率の増加とともに有意に低下していたことが分かりました。さらに、研究期間中のアレルギー発症は果物摂取量の増加とともに、有意に減少していました(少ない、普通、多い摂取群でそれぞれ33.3%、28.3%、14.3%;P for trend=0.01)。10歳時のブタクサ感作率も果物摂取量の増加に従って低下していました(P for trend=0.046)。また、魚摂取量と新規発症喘息症状との関連以外、他の3つの食品には有意な効果は観察されませんでした。

 

7歳の時点で果物摂取量が多いほど、10歳時の喘息、鼻炎、その他のアレルギー症状の有病率が低下することが分かりました。外来でのちょっとした指導に役立つ情報として使えますねw (小児科 土谷)

 

 

 

 

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