院長先生のブログ
乳幼児摂食障害
乳幼児の中には、摂食嚥下障害の原因となり得る病気や障害がないにもかかわらず、食べることが出来ない、あるいは困難な子どもや食べることを嫌う子どもがいることがしられており、このような状態を乳幼児摂食障害と呼びます。
乳幼児摂食障害は以下のような項目の3~4つが当てはまる場合に強く疑われます。
1)6ヶ月以上の長期間の経管栄養をしていた乳幼児(乳児期に経口摂取ができず経管栄養で育った場合、適切な栄養指導がなされないと、子どもが食に対する興味が持てなくなってしまう)
2)経管栄養を必要とする疾患や運動機能障害がなく、座位や立位は安定している
3)知的障害はないか、あっても軽度である
4)摂食嚥下障害を引き起こす構造的異常や機能的異常が無い
乳幼児摂食障害を示す子ども達は、「食」の楽しさや「食べる」ことに興味を持たせない限り、どんな摂食嚥下リハビリテーションを行っても、食べさせることは難しいと言われています。
「食」は「人」を「良」くするものでなければなりません。
乳幼児摂食障害を示す子ども達のなかには、食べる量が少ないことを理由に食事を強制されたり、食事マナーを強制しすぎることで、食事の楽しさや食べる事への興味を失ってしまったお子さんもいらっしゃいます。「食の楽しさを知る」という段階からの、「適切な食育」はとても大切です! (小児科 土谷)