院長先生のブログ
COVID-19 小児編⑫
妊婦に新型コロナワクチン接種をすることで、新生児の新型コロナ感染に対してどのぐらいの効果があるのか調べた論文(JAMA Pediatr. Published online October 23, 2023. doi:10.1001/jamapediatrics.2023.4499)です。
約14万人の妊婦に対して調査を実施(約6割の妊婦が1回以上mRNAワクチン接種をし、約4割が未接種)しました。
その結果、母親が妊娠時にmRNAワクチン接種をしていると、接種をしていない人に比べて、新生児の新型コロナによる死亡リスクが約50%低下し、重症化リスクも約15%低下していました。
一方、ワクチン接種を受けた妊婦から生まれた子どもたちを生後6ヶ月までフォローアップしましたが、一般的な健康状態は変わっていないことが確認されました(ワクチンによる悪影響はない)。ワクチン接種を受けた妊婦の流産率、早産率は未接種の人たちと変わりませんでした。
以上から、妊婦に新型コロナワクチン接種をすると、未接種者に比べて、新生児の新型コロナによる死亡リスクが半減し、重症化リスクも有意に減少することがわかりました(母親や新生児の健康に対する悪影響もなかった)。
生後6ヶ月未満の乳児でもCOVID-19に罹患して小児科外来を受診するケースが多々あります。
(現在は生後6ヶ月以上経過しないとワクチン接種できないため)新生児や早期乳児の新型コロナウイルスに対する抵抗性を高めるために、妊婦さんも積極的に予防接種を受けて欲しいところですねw (小児科 土谷)