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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

日本人高齢者ではタンパク質の摂取量が多いほど死亡リスクが下がる

最近「食事」ネタが続いていたので、今回も小児の話ではありませんが、食事に関連した話題です。

日本人高齢者を対象とする研究(BMC Geriatrics (2023) 23:479 )で、タンパク質の摂取量が多いほど全死亡(あらゆる原因による死亡)のリスクが低いことが示されたので紹介します。

Dietary protein intake and all-cause mortality: results from The Kawasaki Aging and Wellbeing Project | BMC Geriatrics | Full Text (biomedcentral.com)

 

川崎元気高齢者研究(Kawasaki Aging and Wellbeing Project;KAWP)のデータを縦断的に解析。

KAWP参加者のうち、簡易型自記式食事歴質問票(BDHQ)を正しく回答でき、認知機能の低下(MMSE24点未満)がなく、解析に必要なデータに欠落のない833人を対象としました。主な特徴は、平均年齢86.5±1.36歳、女性50.6%、BMI23.1±3.16で、骨格筋量指数(SMI)は7.33kg/m2、血清アルブミンは4.16±0.28mg/dL。BDHQにより把握された摂取エネルギー量は2,038±606kcal/日であり、その17.0±3.18%をタンパク質から摂取していました。

 

その結果、摂取エネルギー量に占めるタンパク質の割合摂取しているタンパク質エネルギー比)の四分位で全体を4群に分類して比較すると、その割合が高い群ほど高齢(傾向性P=0.042)で女性が多い(同0.002)という有意な関連が認められました。

そして、これらの4つの群の生存率を1250日間観察すると、タンパク質エネルギー比の高い群(=タンパク質摂取量の多い群)ほど死亡するリスクが低く、逆にこの比が低いほど死亡リスクが上がることがわかりました。具体的には第4四分位群ではハザード比(HR)0.44(95%信頼区間0.22~0.90)と56%低リスクで、全体の傾向性P値は0.010でした。共変量のSMIをBMIに置き換えた場合も結果は同様。

以上から、85才以上の高齢日本人(アジア人)の健康アウトカムの改善には魚を中心とするタンパク質の摂取量を増やすことが大事みたいです。「食生活の見直し」大切ですねw (小児科 土谷)

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