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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

「感謝する」ことの意外な効果

今回開院するに当たり、スタッフをふくめて沢山の方々にお世話になっています。皆様、本当にありがとうございます。

そこで、今日は「感謝」にちなんだ話題です。
この「感謝する」行為には意外な効果があることを皆さん、ご存じでしょうか?

実は、この感謝する行為には自律神経に好影響を与える効果があるんです。今日はその効果について調べた論文を紹介します(J Pers Soc Psychol. 2003 Feb;84(2):377-89.)。

  • ここでの「感謝する」とは:例えば、毎晩、就寝前にその日に有難いと感じたこと、感謝したことを書き出す(大体3つくらい)。毎日書くのが大変な場合は週末日曜日の就寝前に、1週間を振り返って感謝を感じたことを書き出す行為等を指します。

この感謝の効果は、約200人の健康な大学生、約60人の慢性疾患を抱える患者を対象に行った介入研究で示されています。心理的効果は2-3週間で認められるようになり、身体的効果(頭痛、ふらつき・めまい、胃痛、息切れ、胸痛、にきび・肌荒れ、筋肉のこり・痛み、胃もたれ・吐き気、過敏性腸症候群、食欲不振などの症状を訴える頻度が減ること)は約9週間で認められるようになったとあります。

コロナ禍での一般外来診療では、頭痛、めまい、腹痛、全身倦怠感といった、いわゆる自律神経失調症の訴えで来院されるお子さんの受診が増えています。心理社会的要因を含む、いろいろな患者背景が絡み合って症状を形成しているため、薬物療法だけでは、治療に難渋することもしばしばです。もし、先に述べた「感謝する」行為の積み重ねで心身の状態が改善するとすれば、運動意欲も湧き、ぐっすり眠れるようにもなると思います。すると、さらに心身の調子が良くなり、感謝することが習慣化できれば、好循環が期待できるのです。そして、(多分ですが)感謝を書き出しているうちに、日常の「感謝ネタ」を探すようになるので、周りの人の行為に感謝を感じやすくなり、よりポジティブ思考にもなるでしょう。

即効性があるわけではありませんが、自律神経のバランスが崩れていそうだな~と自覚している人は、まず「感謝すること」から試してみても良いかもしれません。ほぼコストゼロですから(笑)。 (小児科 土谷)

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